SUPER GT インサイドレポート

2009.04.29 更新

朝のフリー走行ではトップタイム

翌日───。「予選を終えた後、いままでで最大限に落ち込みましたよ」と苦笑いした伊藤はまだ自分自身を責めていた。「今年は新しい体制で、新しいクルマでスタートを切って、クルマの調子は決して悪くない流れの中で、ほんの少しのタイミングの違い、ほんの少しのセットアップやドライビングのズレでこんなことになってしまって……。開幕戦の突然の黄旗のように不可抗力的な理由で落としているのではなく、昨日の予選は普通に走っていたのに、という部分が自分の気持ち的には苦しかった。いつもはチームを盛り上げていく立場の自分なんですが、今回ばかりはビヨンやメカニックに『そんなに落ち込むなよ』って励まされちゃいました」と前日を振り返った伊藤。しかし、いつまでも下を向いていられるほどSUPER GTは甘くはない。気を取り直し、日曜朝8時50分からのフリー走行ではビルドハイム、伊藤とステアリングを握り、決勝に向けた準備を行なう。そして、ここでENEOS SC430は1分55秒615というトップタイムをマークした。

「朝は悪くなかったですね。ビヨンがパッと乗って良いタイムが出たので、あとは決勝に向けたセットアップのアジャストをしました。クルマ的には問題なく、抜きにくいサーキットである鈴鹿での戦いで、決して簡単ではないだろうけど、ちゃんと今のクルマのバランスで走り切れば、最後には必ず良いところまで上がって行けるだろうという手応えを得て、気持ちを切り替えて決勝に向かうことができました」

ビルドハイムがうまく繋ぐ

第2戦鈴鹿

迎えた52周の決勝は午後2時からフォーメイションラップがスタート。開幕戦に引き続き、今回もビルドハイムがスタートを務める。土沼広芳監督が「クルマに速さはあるはずなので、できれば序盤のうちにポジションを上げて後半につなぐことができれば……」と言うように、上位進出のためビルドハイムにはスタートから怒涛の追い上げが期待された。

1周のローリングラップが終わり、グリーンランプが点灯。GT500のマシンたちが咆哮を上げて加速していく。期待の掛かったビルドハイムは、スタート直後に鋭い加速を見せた開幕戦覇者#24 GT-Rに先行され、ひとつポジションを落としてしまう。しかし、130Rの飛び込みで#32 NSXを豪快にオーバーテイクしてポジションを戻し、1周目は10位。ENEOS SC430はテールトゥノーズで#24 GT-Rを激しく攻め立てる。「並びかけるんだけど、GT-Rはストレートが速くて、なかなかオーバーテイクできない」とビルドハイム。なんとか7周目に#24 GT-Rを攻略して9位に浮上すると、前を行く#18 NSXに迫る。しかし、今度は後方からハイペースで追い上げてきた#8 NSXの先行を許し、10周目に10位に後退。その後、4台連なったNSX勢の背後で10周ほどを費やしたビルドハイムだったが、20周目に#18 NSXを、さらに21周目の1コーナーでは#17 NSXを仕留め、8位に浮上する。ペースの遅いNSX勢に引っ掛かっていたために、6位争いを展開するマシンたちとの差はこの時点で7秒4と大きなものとなってはいたが、前方が開けたビルドハイムはペースアップ。24周目には自己ベストとなる1分57秒999をマークすると、ライバル勢がルーティンピットを行なう中、30周終了時点で2番手にまで順位を上げてピットイン。ENEOS SC430のステアリングは伊藤の手に委ねられた。

「満タンでスタートしていますし、序盤は抜きづらくて大変だったと思いますが、ビヨンもそのあたりをキチッと我慢して30周まで走ってくれた。そこまで周回を重ねていてもビヨンからは無線で“タイヤのライフ的には問題ない”と聞いていたので、自分はすごく安心してピットアウトすることができましたね。普通ならば後半が30周で同じタイヤを着ける、という形になるのが逆になって、残り22周と短くなったのですから」

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