SUPER GT インサイドレポート

2009.04.29 更新

伊藤が猛烈な追い上げを開始

再び8位でコースに復帰した伊藤の前には当初11秒差で#8 NSXが走っていたが、33周目に#3 GT-Rがピットアウトし、#3 GT-Rが前に来て、その差は約4秒と射程距離となった。

「最初の5周くらいは用心のためにタイヤを労わって様子を見ていたんですが、残りの周回数とタイヤのパフォーマンスを計算して、すぐに“やはりまったく問題ないな”と確信しました。スティントの中盤からプッシュするというのは、タイヤの消耗などを考えるとやりにくいことが多いのですが、今回のクルマは気持ち良くプッシュできる状態でした。最初は相手のタイヤの状態も良くてギャップが開く時もあったんですが、ウチがどんどん攻められるような状態になってきたときに、反対に徐々にまわりのマシンのタイヤパフォーマンスが落ちてきて、差が縮まってきたんです。だんだん前を走るマシンが集団で見えてきて、“これはひょっとしたら面白いレースになるかも”と思いましたね」

33周目に1分57秒457をマークした伊藤は、その後もコンスタントに1分57秒中盤~58秒前半というトップと遜色のないペースで周回。残り10周を切ったあたりからさらにペースアップし、45周目に1分56秒941という好タイムを叩き出すと、前を行く#3 GT-Rとの間合いを詰めていった。

第2戦鈴鹿

 一方このころ、上位陣では波乱が起きていた。47周目にトップを独走していた#1 GT-Rがタイヤトラブルに見舞われ、一気にスローダウン。#36 SC430、#38 SC430が相次いでこれをパスし、首位争いが2台のSCに絞られたのだ。2台は激しく競り合いながら、翌48周目のシケインへ。さらにその後方では、#3 GT-R、#100 NSX、#8 NSX、伊藤のENEOS SC430が競り合いながらシケインに差し掛かったが、この伊藤の前方で#3 GT-Rと#100 NSXが接触し、#3 GT-Rがクラッシュ。#8 NSXもこの混乱に巻き込まれクラッシュするなど、伊藤の目前で多重クラッシュが発生したのである。

「シケインでちょうど#8 NSXを抜こうとしていたら、前でグチャグチャっとなって。なんとしてもそこで当たってしまうわけには行かなかったので、これ以上ないほどのパニックブレーキを掛けました。破片もコース上にたくさん散らばっていましたし、“もう止まってもかまわないから、クラッシュだけは避けよう”と思っていましたね。そうしたら、運よくインサイドぎりぎりで逃げることができたんです!」

間一髪難を逃れた伊藤とENEOS SC430は、翌周のS字で#100 NSXがスピンアウトしたため、一気に5位にポジションアップを果たすが、シケインでのクラッシュの処理のためにセーフティーカーが導入されることに。伊藤の目前には手負いの状態となった#1 GT-Rがおり、ラスト1周でリスタートされれば、ENEOS SC430は苦もなく4位をゲットできる状況。しかし、点滅を繰り返すセーフティーカーのルーフランプは消えることはなく、レースはセーフティーカーランのまま52周を終了し、ENEOS SC430は5位でチェッカーを受けた。この後、4位でフィニッシュした#1 GT-Rに、他車との接触行為によるタイム加算ペナルティーが科されため、ENEOS SC430は繰り上がって4位ということになった。

第2戦鈴鹿

「結果的に自力ではそれほど抜いてはいないものの、まずまずのポジションまで上がった。レース中のクルマのパフォーマンス的には充分以上のものを確認できたので、その点では納得のいくレースだったと思います。そういったパフォーマンスがあったからこそ、4位という順位まで上がっていくことができたわけですしね。ただ……やはり予選のポジションさえもっと良かったら、という気持ちは残りますね。次はそのあたりを頑張ります!」

レース後、ようやく笑顔をのぞかせた伊藤。今回の鈴鹿は展開に恵まれたこともあって表彰台の一歩手前となる結果を得たが、次戦は昨年最終戦でENEOS SC430として初表彰台となった富士スピードウェイだけに、展開に左右されたものではなく、本来のパフォーマンスを100%発揮した上で表彰台の頂点を狙っていく。

取材・文/田口朋典 写真/小笠原貴士

第三者の目から見たENEOS SC430

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