SUPER GT インサイドレポート

2009.07.01 更新

スーパーラップに向けて交錯する戦略プラン

ところで、予選1回目上位8台の単走による、ポールポジションから8番手までのスターティンググリッドを決めるスーパーラップには、履くタイヤに関する、注意すべきレギュレーションがある。

「スーパーラップに進出すると、そこで履いたタイヤで決勝をスタートしなければならないので、長い周回を走らなければならない決勝を鑑みて、予選1回目で履いたソフト系よりは硬めのタイヤで行くことになっていたのですが、夕方になって徐々に気温や路面温度が下がっていくというコンディションの中で、そのタイヤがうまく機能してくれるかどうか、クルマのバランスが変わってしまわないか、いろいろ考えてセットアップをアジャストしてスーパーラップに臨むことになりました」

GT500のスーパーラップの7番目のアタッカーとして伊藤がコースイン。すでに夕方5時を回っており、気温は31℃、路面温度は42℃あたりまで下がってきていた。この時点でのトップタイムは#1 GT-Rの1分58秒124。ゆっくりとタイヤを温め、アタック周回に入った合図であるライトオンをしたENEOS SC430が計測ラップに突入。伊藤のタイムは1分58秒719。予選1回目より大きくタイムアップを果たしたものの、惜しくも最前列獲得はならず、ENEOS SC430は4番グリッドから決勝を戦うことになった。

「できれば1分58秒台前半くらいまではいきたかったんですが、状況を考えればまずまずじゃないかと。路面を含めコンディション的に良くなって、予選1回目からかなりタイムは上がりましたが、硬めのタイヤを履いていることでのグリップ不足もありましたから、このあたりかと。たぶん、予選1回目と同じソフト系のタイヤを履いていたら、ポールに近いところにはいけていたかなと。僕も健二さんも金曜の暑い状況を見てしまっていただけに、今日は涼しかったけど、決勝では暑くなる可能性があるのではと、ソフト系を選べなかった。コンサバティブな作戦になったのも仕方なかったでしょうね」

上位争い中の序盤に……

こうして予選4番手を得たENEOS SC430。しかし、決勝日(21日)のセパンはまたも朝から雨模様となるなど不安定なコンディション。午前10時45分からのフリー走行でも、序盤ステアリングを握っていたビルドハイムから交代した伊藤が走行中、ヘアピン手前などで突然の局地的な激しい雨が襲ってコースを濡らし、さすがの伊藤もコースオフを喫するなど波乱の展開に。このため、予定よりも早めにチェッカーが掲示されることとなった。この雨も一過性のもので、ピットウォークやサポートレースの間にコースコンディションは回復。スタート進行の間に再び雨がパラついたものの、暑さを避けて午後4時からスタートする決勝(54周)はドライでの戦いとなった。

第4戦セパン

4番グリッドに着いたENEOS SC430のコクピットにはビルドハイム。ところが、ここでポールシッターの#1 GT-Rが駆動系のトラブルでグリッドからピットに押し戻されることになり、ピットスタートに。ENEOS SC430は実質3番手スタートとなった。そして午後4時ちょうど、フォーメーションラップがスタート、1周の後いよいよ決勝がスタートした。

スタート直後の混乱の中で、#8 NSXや#24 GT-Rの先行を許し、一時ポジションを下げてしまったビルドハイムだったが、すぐさま#8 NSXを抜き返して1周目を4番手で戻ってくる。ビルドハイムの前は#24 GT-R。ポジションはひとつ下がったものの、まだ序盤ということで早めにパスしてさらに前を追いたいところだが、3~4周目あたりから#24 GT-Rとのギャップが開き始めてしまう。 「2~3周目に突然、ギヤボックスがおかしくなったんだ」とビルドハイム。「コーナーに向けてブレーキングし、6速から2速にシフトダウンしようとしたら、4速から下に入らなかったんだ。ゆっくり操作すると入ったりするんだけれど、最終コーナーの進入ではどうしても4速までしか落ちなくて。それ以外のコーナーでは後ろの#8 NSXを引き離せるのに、最終コーナーだけで一気に追いつかれてしまう」と苦戦を強いられることになったビルドハイムに、ピットからは「違うマップを試してみてくれ!」など、何とか状況を打開すべく無線で指示が飛んだものの、「マップをいろいろ切り替えたりしたんだけれど、状況は変わらなかった。そうしたら、6周目の1コーナーで4速に入ったままシフトが動かなくなって……」とビルドハイムはたまらずコースアウト。予想外のトラブルに見舞われたENEOS SC430はここで13番手あたりにまでポジションダウン。万策尽きたチームは、ビルドハイムを7周終了時点でピットに呼び戻し、ガレージ内での修復作業に取り掛かった。

次のページへ

| 1 | 2 | 3 | 4 | 第三者の目から見たENEOS SC430 | 次戦の意気込み

ENEOS MOTOR OIL