SUPER GT インサイドレポート

2009.08.05 更新

速さを結果に出したい

このところ安定した速さでスーパーラップ進出、そして上位グリッドの常連となっているENEOS SC430。だが、第4戦セパンでも予期せぬトラブルに見舞われたように、いま一歩のところで表彰台、そして優勝に届かずにいる。この状況は、ファンはもとより、土沼広芳監督以下LEXUS TEAM LeMans ENEOSのスタッフたち、そして伊藤大輔、ビヨン・ビルドハイムのドライバーふたりにとってももどかしい限り。とはいえ、激戦のスーパーGTだけに、表彰台のハードルは2007年GT500クラスチャンピオンである伊藤にとっても容易く超えられるものではないことは重々承知だ。

前回セパン大会から1カ月のインターバルを置き、迎えた第5戦の舞台は、みちのくはスポーツランドSUGO。テクニカルなインフィールド区間と高速域の外周によって構成される、チャレンジングな山間コース。伊藤にとっては、08年は怪我のためこのSUGOを欠場していたため2年ぶりとなるが、その前年の07年には見事優勝を飾っているだけに、その思いには「今回こそは」と非常に強いものがあった。「SUGOは背水の陣で臨む」という山田健二エンジニアの言葉にも力がこもる。

第5戦SUGO

土曜日。走行開始となった午前のセッションは前夜の雨の影響が残り、ほぼドライながら非常に滑りやすく、コンディションはいまひとつ。しかし、伊藤の駆るENEOS SC430は午前9時45分からのこのセッションにトップを切ってコースイン、序盤から上位につける好調なスタートを切った。

「自分たちのパフォーマンスはまずまずなんですが、コンディションも良くなかったし、周囲のマシンがどういう状況で走っていたのかが分からないので、ちょっと難しいですね。僕らのタイムとかポジションとかをどう評価していいのか……」

首をひねりながら、慎重なコメントを口にした伊藤。とはいえ、ENEOS SC430はセッション中盤にはニュータイヤで予選シミュレーションを行ない、29周目に1分18秒662を叩き出し、トップ#12 GT-Rから僅差の総合2番手。セッション中は長らくモニターのトップに居座った。終盤に伊藤からマシンを引き継いだビルドハイムもまた、「マシンのフィーリングはかなりいい。僕はこのSUGOで昨年かなり速かったし、今週末は楽しみ」とポジティブで、午後の予選に向けて、いやがうえにも期待感は高まっていた。

日差しが強まり、気温30℃、路面温度40℃と暑くなった午後1時35分からの公式予選1回目。セッション開始からの25分間はGT300クラスとの混走時間。まずはビルドハイムがコースインし、4周目に1分19秒233という好タイムをマークする。10分ほどの走行で4番手につけ、難なく基準タイムをクリア。ピットに戻って伊藤に交代した。  伊藤はここからピットイン&アウトを細かく行ないながら、セットアップを微調整。マシンバランスのさらなる改善に努めると、1分18秒921でベストタイムを更新。ENEOS SC430を6番手に押し上げて、混走時間帯を終えた。

午後2時10分に始まったGT500クラス専有時間帯では、ENEOS SC430はやや余裕を持ってピットアウト。ゆっくりとタイヤを温めた伊藤は残り5分の段階で渾身のアタックに入った。最終コーナーでは直前にNSXがおり、完全なクリアラップとはいかなかったものの、1分17秒198という好タイムで暫定トップに躍り出る。この直後にGT500で唯一ミシュランタイヤを履く#3 GT-Rが1分17秒170をマークし、わずかに伊藤のタイムを上回ってトップに立った。これを受けて、伊藤はファイナルラップにもう一度アタックを敢行したが、タイムは1分17秒688に終わり、惜しくも再逆転はならず。暫定ポールポジションとはいかなかったが、ENEOS SC430は堂々の2番手でスーパーラップ進出を決めた。

「天候が荒れたセパンなどとは違い、今回はフリー走行もきちんとドライで走れていたので、朝からとても多くのメニューをしっかりとこなせていたのが大きかったですね。アタック自体はまあまあでした。ちょっと行きすぎた部分もあったんですが……」と苦笑いの伊藤は、大きなタイムロスにはつながらなかったが、実は珍しくアタック中にわずかなシフトミスがあったと白状。暫定ポールとなった#3 GT-Rとは100分の2秒の僅差だっただけに、スーパーラップでの逆転に賭ける思いがより一層強くなった。

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