
2009.09.02 更新

「ヘアピンを立ち上がってスプーンに向かう、ちょうどその中間あたりで突然エンジンが失火したんです。どうしたんだ!? と思ったらスプーンあたりで復活して。そこでいったんチームには“エンジンがおかしい”と伝えたのですが、復活したのでもう1周してみようと63周目に入ったら、また同じ場所で失火した。さらに今度はスプーンまで行っても復活しなかった。その時点でインジケーターの表示などもおかしくなっていたんで、これは電気系かもしれないとは思ったんですが、もしこれがガス欠だったら、燃料さえ積めば解決するかもしれないということで、無線で“ピットインしたい!”と伝えて準備してもらい、ピットインしました」
本来はあと2周するはずだった伊藤のENEOS SC430だが、ここで緊急ピットイン。スタッフは通常どおりのピット作業を終え、ビルドハイムを送り出した。
「普通にピットアウトできたので、ああ、大丈夫かもしれない、と思った」
その伊藤の目のモニターに映し出されたのは、シケイン立ち上がりでスローダウンしたENEOS SC430の姿だった。
「シケインに入るとき、突然シフトダウンができなくなったんだ。それで最初はギヤボックスが壊れたのかと思ったんだけれど、コーナーに入ったらエンジンがストップしてしまった」とビルドハイム。
「チームではバッテリーやECUなど交換する準備をしていましたが、モニターでスローダウンしているのを見て、“ああ、もうダメだな”と思いました」という伊藤だったが、その後ENEOS SC430はいったん息を吹き返し、再スタート。ところが、デグナーを立ち上がったところで再びエンジンがストップし、万事休した。
「ピットからの指示で、メインスイッチを切ってリセットするなど、やれることはすべてやったんだけれど……」というビルドハイムがコクピット内で首を振る姿がモニターに映し出された。山田エンジニアがビルドハイムにマシンを離れるように告げ、LEXUS TEAM Le Mans ENEOSの鈴鹿ラウンドが終わった。
「自分たちには優勝した#35 SC430を逆転するだけの力があったはずなので、そこを走れなかったことが心残りでした。電気系のトラブルは原因を探すのが難しいのですが、ちゃんと走りきっているクルマがほとんどですし、ピットでのミスだとか、反省すべき点が多かったと思います。SUGOは結果的には勝てませんでしたが、間違った判断はしていないと思いますし、単純にアンラッキーで済まして良いと僕は思いますが、今回はそうではなかった。せっかく今年は安定して速く走れるようになったのですから、それをちゃんとゴールまで運べなければ意味がないんです」
無念を胸に、鈴鹿を後にしたLEXUS TEAM Le Mans ENEOS。伊藤は「まだまだ改善すべき点があると改めて思った」と振り返った。次の舞台はチームの地元であり、レクサス勢のホームコースでもある富士スピードウェイ。ENEOS SC430としての初勝利を目指し、戦いは続く。
取材・文/田口朋典 写真/小笠原貴士
| 1 | 2 | 3 | 4 | 第三者の目から見たENEOS SC430 | 次戦の意気込み
ENEOS MOTOR OILCopyright© 1999-2010 NIPPON OIL CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.