SUPER GT インサイドレポート

2009.09.30 更新

強まる決勝への自信

明けて日曜日の富士は、早朝こそ曇りがちであったものの、午前8時30分からのフリー走行の間に雲は晴れ、まぶしい日差しがサーキットに降り注いだ。コースコンディションはもちろんドライだ。

「実は金曜の段階で天気予報を見ながら、せっかく良い流れできていたのに、雨のせいでNSXやGT-Rにやられてしまった……という展開になったらイヤだな、と思っていたんですが、実際に昨日雨は降ったものの、幸いにしてケガの度合いは少なかったという感じ。自分たちよりタイムの良かった#8 NSXがグリッド降格になったこともあるし、#18 NSXや#12 GT-Rがアタック中にスピンしたこともあるけれど、不安定な要素で足をすくわれそうだったのが、ある意味ラッキーな展開になっている。ちょっといままでの自分たちの流れとは違うかな(笑)」と笑顔を見せた伊藤。「ドライになっても、きっとバランスは悪くないはず」と迎えたフリー走行では、まずはビルドハイムがENEOS SC430をドライブ。比較的軽めのハーフタンクだったこともあってか、ビルドハイムは開始10分の段階で1分35秒422と他を圧倒するトップタイムをマーク、翌周にピットに入り伊藤に交代。ステアリングを引き継いだ伊藤は満タンでのフィーリングチェックを行なったが、ここでも伊藤が1分36秒台の好タイムをマークしてセッションを終了。ENEOS SC430はビルドハイムの叩き出したタイムによって、このセッションの総合トップを奪う。

続くサーキットサファリの時間帯を使って、さらなるパフォーマンスアップに努めることとなったENEOS SC430だが、前日が終日ウエットとなったことで各陣営ともにドライでの、セットアップに注力する中、伊藤が「決勝に向けては多少リヤのグリップを上げた方が良いかな、というフィーリングはありましたが、大きな問題もなくまずまずでした」と語ったように、決勝に向けて大きな自信と手応えを得ることとなった。

一瞬の出来事

第7戦富士

ピットウォークなど、慌ただしい時間を過ごしたドライバーふたり。一方のチームは決勝への準備を行ない、いよいよ午後2時、66周で争われる決勝レースのスタートを迎えた。  気温27℃、路面温度42℃という暖かいコンディションの中、スタートドライバーのビルドハイムは鋭く加速し、前の#1 GT-Rや#36 SC430から遅れることなく、イン側のラインから1コーナーへアプローチしていく。ところが、この先にまたしても不運が待っていた。 「スタートはまずまずだった。とくに無理をするつもりはなかったけど、後ろにいた#24 GT-Rの加速が良く、向こうをけん制するためにイン側のラインを選んで、ブレーキング、ターンインしようとしたんだ」(ビルドハイム)

その前方では、ポールポジションの#32 NSXがスタートダッシュで若干出遅れたことにより、混乱を生じていた。イン側に#36 SC430、その左隣に#32 NSX、半車身遅れたアウト側に#1 GT-Rという隊列で1コーナーに入っていったが、#36 SC430に先行を許した#32 NSXは少しアウト側にはらんだ。その#32 NSXは立ち上がりでのクロスラインを狙うべくイン側に切れ込んできて、#36 SC430の後ろにいたENEOS SC430の左フロントと#32 NSXの右リヤが軽く接触。ビルドハイムはそのまま1コーナーを3番手でクリアしていったが、この影響で#32 NSXはスピンしてしまった。

「自分としてはあの状況では避けようもなかったし、50:50だとは思う。けれど、結果として相手がスピンした以上、スーパーGTではペナルティーが科せられる可能性はすぐに考えた。もしそうなった場合に少しでも被害を少なくなるように、できるだけプッシュしたんだ」というビルドハイムは、その言葉どおり2周目の最終コーナーで#1 GT-Rのインを突き2番手に浮上すると、さらに4周目のダンロップコーナーでトップの#36 SC430を捕らえてトップに躍り出た。

しかし、ビルドハイムと土沼広芳監督以下チームスタッフの不安は的中し、6周目にENEOS SC430に対してドライブスルーペナルティーが下された。すぐさまピットに向かうビルドハイム。このペナルティー消化によって、ENEOS SC430はトップから11番手へとポジションを落としてしまう。しかし、諦めることなく8周目に1分37秒093というファステストラップを叩き出すなど、ENEOS SC430はじりじりとポジションを挽回していく。

だが、13周目に10位、14周目に9位、17周目に8位……と急激な追い上げを見せていたENEOS SC430は予定よりもタイヤの消耗が激しく、チームは当初のプランよりも早めの28周終了時点でピットにビルドハイムを呼び寄せ、残る38周を伊藤に託すこととなった。

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