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インサイドレポート INSIDE REPORT


ウエイトが効き、土曜は苦戦

 シリーズ中盤戦を迎えた今季のスーパーGT。激戦のGT500を戦うLEXUS TEAM LeMans ENEOSにとって、今季のシリーズを占う上で重要な一戦がやってきた。例年真夏の暑さの中で、シリーズ最長の過酷な戦いとなることで知られる第5戦『ポッカGTサマースペシャル』である。
 前半戦はいまひとつ波に乗り切れない戦いを強いられたLEXUS TEAM LeMans ENEOSだが、前戦スポーツランドSUGOではようやく力強い追い上げのレースを展開し5位に入賞。レクサス勢では最上位となるランキング5位につけて迎える今回のイベントだけに、チーム全員がさらなる上位入賞を期してレースウィークに臨むこととなった。
 だが、舞台となる鈴鹿サーキットは、マシンにもドライバーにもハイレベルなパフォーマンスが要求されることで知られる日本屈指の舞台。しかも『ポッカGTサマースペシャル』は、今季500kmとなったとはいえ、その過酷さには変わりがない。山田健二エンジニアは、「鈴鹿はウエイトの重さがラップタイムに影響しやすいサーキット。48kgというウエイトはそこまで重いレベルではありませんが、ウエイトが軽いマシンが何台かいるだけに、楽に上位に進出できるとは考えづらい」とコメント。
「今回の鈴鹿では、よりウエイトが重いライバル勢よりもしぶとく戦って、手堅くポイントを拾い、次に控える得意の富士スピードウェイと合わせて、終盤にチャンピオン争いができる状況に持ち込みたいところです」と、決して楽な週末にはならないと読んでいた。
 山田エンジニアの予想は残念ながら的中してしまう。気温26℃、路面温度30℃と、朝方に降った雨は上がったとはいえ、曇り空の下でこの時期の鈴鹿としては異例の涼しさとなった。公式練習では、序盤に大嶋和也がマークした1分56秒200がベストとなったが、空力パーツなどの確認・評価をこなしつつポジションは8番手といまひとつ。
 迎えたQ1ではハード系のタイヤを履いた伊藤大輔が、混走時間帯に1分55秒955をマークも10番手。10分間の占有時間帯では大嶋がステアリングを握って、ソフト系のタイヤで1分54秒949とタイムを上げQ2進出は果たしたものの、ポジションは11番手とQ1通過マシンの中では最下位にとどまった。そして急転直下のウエットに転じたQ2では大嶋がアタックも、2分10秒456とトップの#39 SC430に対し、約3秒もの大差で9番手とQ3進出は果たせなかった。

浅溝か、深溝か……! 悩ましい雨模様

 明けた日曜も雨模様となり、ウエットコンディションで走ったフリー走行でも、ENEOS SUSTINA SC430は12番手に沈む。不安定な天候のせいもあるのだろうが、やや重苦しい雰囲気がピットに漂っていた。
「ドライに関しては、自分たちの中ではそれなりに合わせて来ている感じはあったんですが、順位的はいまひとつ。公式練習、Q1ともにそんな状況でしたね」と土曜を振り返った伊藤だったが、なぜかその表情には重苦しさも、あきらめの表情も見えなかった。
「ウエットではライバルタイヤ装着車を中心に、上位陣にはタイム的に離されてしまっている。ドライ、ウエットどちらのコンディションでも、順位的にはそんなに良いところにいないんですが、自分たちの中ではそんなに悪いバランスにはなっていない。だからレースになれば、それなりには戦えそうなフィーリングは感じているんです。相対的なポジションが良くないのは確かですが、自分たちのフィーリングと実際に出ているタイムにズレがあるというか、ドライビングして感じる雰囲気とタイムの出る雰囲気が一致していない感じです」
 そう話す伊藤に、大嶋も「Q1では予想よりもアンダーステア傾向が強かったので、若干ロスはありましたが、タイミングとしてはベストに近い状況でアタックできましたし、もっとタイムアップできたとしてもコンマ2秒くらい。ウエットのQ2もできる限り攻めたんですが、いっぱいいっぱいでしたね。ベストタイムはチェッカー提示後のファイナルラップでしたが、軟らかめのタイヤでのアタックで、多少グリップダウンしていましたから」と、前日の予選でのアタックに大きなミスはなかったとコメントしている。
「ウエットのフリー走行では深溝、サーキットサファリでは浅溝を試しましたが、フィーリングとしてはそれほど悪いところはなく、雨の量と履いているタイヤによってバランスが多少変化する程度で大きな問題はやっぱりなかった。となれば、あとは雨が予想される決勝でも、自分たちがどれだけ状況に合ったタイヤを選べているか次第でしょう」と日曜のフリー走行を終え、達観したかのように語る伊藤。しかし、午後3時10分の決勝フォーメーションラップのスタートを前に、グリッド上でチームは悩みに悩んだ。直前に降った雨の影響で、路面は完全なウエットコンディションとなってはいるものの、雨はほとんど止みかけている状況。上空は薄曇りながら、「前日の夕方も、こんな感じの薄曇りから、最後はかなりの雨になった……!」と、山田エンジニアはまとまった降雨の可能性を恐れた。
 ひっきりなしに気象情報をチェックしながら、ブリヂストンやTRDのスタッフとぎりぎりまで意見交換をした山田エンジニアは、最終的に他の多くの陣営同様深溝のレインタイヤを選択。そしていよいよ500km、87周の決勝がスタートした。1コーナーに向け、猛然と加速していくモンスターマシン群が巻き上げる水煙の中、9番手からスタートした大嶋は#35 SC430の先行を許し10番手に後退。そこからしばらくは集団の中での攻防を続けるものの、予想したような雨は降らない。徐々に好転する路面に、#23 GT-R、#32 HSV-010の2台のペースがきわ立ち始めた。この2台は、浅溝のウエットタイヤをチョイスしていたのだ。



LEXUS TEAM Le Mans ENEOS 山田健二エンジニアに聞く
今週のENEOS SC430ってどんなクルマ?

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