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インサイドレポート INSIDE REPORT


LEXUS TEAM Le Mans ENEOS 山田健二エンジニアに聞く
今週のENEOS SUSTINA SC430ってどんなクルマ?

今週のENEOS SUSTINA SC430はこんなセッティングだ!

■ 空力関係
ダウンフォース 少なめ           多め
フェンダー 最高速より           コーナーより
リヤウイング 寝かせめ           立てめ
フロントアンダー 寝かせめ           立てめ
■ 車体関係
フロントスタビ 柔らかめ           固め
リヤスタビ 柔らかめ           固め
スプリング 柔らかめ           固め
車高 低め           高め
■ その他
新パーツ投入 少なめ           多め
タイヤ 柔らかめ           固め

今年3度目の富士も、気温を考え異なるセットアップ
来季を見据えた速さを追求したセットに

 富士でのレースに関しては、すでに今年も二度経験していますし、以前にも説明したようにダウンフォースに関しては一番少ない仕様で持ち込みます。日本屈指のロングストレートを持つサーキットですから、もちろんフェンダーも最高速寄り。リヤウイング、フロントアンダーも寝かせていきます。

 JAFグランプリの行われる11月は気温も低いですし、暖かい時期の富士仕様よりも路面などのコンディションが良いので、ウイング類はさらに削って行きます。もし、上の表でいちばん左のさらに左に枠があれば、そこに印を付けたいぐらい。それぐらい寝かせていくイメージです。

 また、寒くて路面グリップが高いことに加え、レース距離が100kmのスプリントになるJAFグランプリでは、足まわりに関しても攻めたセットアップができます。フロントスタビ、リヤスタビはシリーズ戦の富士のセットと比べると、少しハード目、スプリングもやや硬め。ライドハイト(車高)も、スキッドブロックの摩耗などに関してはレース距離が短いことからそれほど心配しなくても良い、ということでさらに低めで行きます。もともと富士はダウンフォースが少ないために車高は低めなのですが、今回は新しいセットアップを試みようということで、これまでにないほど目一杯低いところで持って行く予定です。

 それから新パーツの投入に関しては、エキシビションであるJAFグランプリであっても何点かはチームとして持ち込もうと考えています。そんなに多くはありませんが、少なくもないので表だとこのあたりでしょうか。

 タイヤに関しては、前述したようにレース距離が短いので、予選も決勝も同じ仕様のタイヤで戦います。最大限に柔らかいタイヤですね。ただ、去年はそういったスタンスで臨んで、決勝ではタイヤにささくれの問題が出たりしているので、やわらかめの中でもブリヂストンと相談をして、低温でのささくれを防止出来るような新しいものを用意してもらっています。去年のJAFグランプリではレースになっていなかったというか、伊藤大輔選手が優勝を飾りましたが、追いかけてくるライバルたちもタイヤを消耗させてしまって苦しむという、タイヤ消耗合戦になる中逃げ切ったという展開でした。

 今年はライバルのタイヤメーカーが調子が良いですし、ああいった消耗合戦をしているようでは優勝は出来ないでしょうからね。そのあたりの対策をしたコンパウンドで戦うつもりです。

 開幕扱いとなった第2戦と第6戦、シーズン中に2回も走っている富士ですが、今回はウエイトもないスプリント勝負のイベントです。第2戦もウエイトを積んでいませんでしたが、そこから1年間開発を続けた結果、現状のENEOS SUSTINA SC430はかなりアップデートされていますから、今回のJAFグランプリはスペシャル戦とはいえ、今季のアップデートを再評価しクルマのバランスを確認し来季に繋げるという、大きな意味を持っているイベントと捉えています。今回持ち込むチームオリジナルの新パーツも、来季の開発を見込んで投入するものですし、スプリントですからクルマとしての単純な速さを追求していくつもりでいます。

 また、JAFグランプリでは通常行わないスタンディングスタートとなりますが、去年の伊藤選手はスタートでトップに立ちましたからうまく決まったようには見えましたが、実際の0〜100km/hのタイム的には3.5秒くらいしか出ていませんでした。クルマのパワーやタイヤの太さを考慮すると、2秒後半とか、もう少し速く出来るはずですし、そのためにクルマ的にも対策を施していきます。ファンのみなさんには、そこもポイントのひとつとして注目していただきたいですね。


来季に向けた重要な特別戦。雨の中好調な滑り出し